ソルフェージュの種類

音名や階名、半音階のバリエーションをどう扱うかによって、ソルフェージュにはいろいろな種類があります。

移動ド/固定ド

音楽家には絶対音感(固定ド)と相対音感(移動ド)の両方のシステムが必要なので、可能であれば両方の方法で練習することをお勧めします。 しかし、初心者がソルフェージュの練習を始めるにあたっては、どちらを先に学ぶかを選ばなければならないかもしれません。 もし、あなたが絶対音感の習得や楽器の演奏の上達を目標としているなら、固定ドから始めるのが良いでしょう。 また、もしあなたが相対音感の習得や楽曲分析、作曲理論の習得などを目標としているのなら移動ドから始めるのが良いかもしれません。 いずれにせよ、優れた音楽家になるためには両方の習得が望まれます。

移動ドのソルフェージュ

移動ドでは音名ではなく階名として ドレミファソラシが使われます。

移動ドのAメジャースケール

固定ドのソルフェージュ

固定ドでは調に関わらず、階名ではなく音名として ドレミファソラシが使われます。

固定ドのAメジャースケール

全音階/半音階のシラブル

半音階のシラブルを用いた方がより厳密にピッチの違いを意識することができますが、 初心者が難しく感じるようであれば全音階のシラブルから始めても良いでしょう。

全音階のシラブル(移動ド)

臨時記号はシラブルに影響を与えません。 1度の音もシャープのついた1度の音も「ド」と読みます。

全音階のシラブルによる移動ドの Aメジャースケール

全音階のシラブル(固定ド)

調合や臨時記号はシラブルに影響を与えません。 「C」も「C#」も「ド」と読みます。

全音階のシラブルによる固定ドの Aメジャースケール

半音階のシラブル(移動ド)

1度の音は「ド」、シャープのついた1度の音は 「ディ」と読みます。その他のシラブルについては下記の通りです。

半音階のシラブルによる移動ドの Aメジャースケール

半音階のシラブル(固定ド)

調にかかわらず「C」の音は「ド」、「C#」の 音は「ディ」と読みます。その他のシラブルについては下記の通りです。

半音階のシラブルによる固定ドの Aメジャースケール

半音階のシラブル(まとめ表)

半音階のシラブルは次の表の通りです。

半音階のシラブル
固定ドの音名(または移動ドの度数) シラブル
C𝄫 (または全音下げた1度) daw
C♭ (または半音下げた1度) de
C (または1度) do
C# (または半音上げた1度) di
C𝄪 (または全音上げた1度) dai
D𝄫 (または全音下げた2度) raw
D♭ (または半音下げた2度) ra
D (または2度) re
D# (または半音上げた2度) ri
D𝄪 (または全音上げた2度) rai
E𝄫 (または全音下げた3度) maw
E♭ (または半音下げた3度) me
E (または3度) mi
E# (または半音上げた3度) mai
E𝄪 (または全音上げた3度) -
F𝄫 (または全音下げた4度) faw
F♭ (または半音下げた4度) fe
F (または4度) fa
F# (または半音上げた4度) fi
F𝄪 (または全音上げた4度) fai
G𝄫 (または全音下げた5度) saw
G♭ (または半音下げた5度) se
G (または5度) sol
G# (または半音上げた5度) si
G𝄪 (または全音上げた5度) sai
A𝄫 (または全音下げた6度) law
A♭ (または半音下げた6度) le
A (または6度) la
A# (または半音上げた6度) li
A𝄪 (または全音上げた6度) lai
B𝄫 (または全音下げた7度) taw
B♭ (または半音下げた7度) te
B (または7度) ti
B# (または半音上げた7度) tai
B𝄪 (または全音上げた7度) -